ディテール/’14.夏季*
Post Series: 長岡造形大学第3アトリエ棟
- 1.長岡造形大学第3アトリエ棟*
- 2.長岡造形大学第3アトリエ棟-その1-
- 3.長岡造形大学第3アトリエ棟-その2-
- 4.朝日新聞/’10.05.27*
- 5.JSCA/2011*
- 6.現代日本の建築家/2011*
- 7.近代建築/’11.vol65
- 8.ディテール/’12.春季
- 9.学会選集/2012*
- 10.ディテール/’14.冬季*
- 11.ディテール/’14.夏季*
- 12.朝日新聞「建てモノがたり」で紹介されました
長岡造形大学第3アトリエ棟
「ロッカーの扉厚さに納まる施錠スペース」
特集 小さくても大きなアイデアディテール
学生一人ひとりに与えられるロッカーは、南京錠で施錠したいという要望を受けて考えました。
芸術系の大学らしく、カラフルな南京錠を選ぶ学生も多く楽しげなロッカーとなりました。
屈曲したクレバス(吹き抜け)に面した廊下の壁面を活用し、260人分の個人用のロッカーを仕立てた。
白い壁に縦横に細いグリッドが入り、近未来的な印象を与えている。
この壁は空間を仕切る象徴的なエレメントで、全ての要素をフラットに納め、抽象的な表現を目指した。
壁面にリスミカルについている引手兼用の鍵収納部は、扉を閉じるとわずか20mmの扉厚の中でロッカー本体と扉につけられた3mmのSUSプレート同士が1.5mmのクリアランスで重なり、南京錠がかけられるストイックなデザインである。
鍵は個人が好きなものを選んで使用しており、ロッカーの並ぶ壁面はデザインの専門大学らしい個性の表現の場となっている。
260人分の「ロッカー+南京錠」という一つの要望から生まれた、大きなデザイン要素である。
(佐藤真紀)