子どもの空間
遊具は建築である。
随分前にそのように最初に話をしたのは、仙田満さんです。
仙田さんが北九州に来られてご自身の今までの研究や建築について講演をして下さった後、著書も数冊購入して読みました。
私は今後、駅や幼稚園といった子供も利用する建築も手掛けていきたいと考えています。
講演の中で「あまりにも安全重視だけでは、子供は鍛えられない。ワクワクしない」という趣旨のことをお話になられていて、その塩梅がどういうものか気になっていました。
そして偶然、休暇を利用して訪れた茨城県の「ひたち海浜公園」で仙田さんの計画された遊具に出会いました。
それは驚くほど迫力のある「おもしろチューブ」。
遠目にそれが見えた時、「あれ???」と思って即座にその場で検索。確かに仙田さんの手掛けられた遊具だったのです。
面白いと感じたのは、子供と大人が一緒に手を繋いで歩いて行けるけど、途中で子供だけしか行けないエリアがあること。この大きな遊具は大人でも全体像が見えない。ゆえに、子供にとっては、これはちょっとした冒険です。
さらには、確かに安全だけじゃない塩梅がありました。
ちょっと足を大きく上げないと乗り越えられない柵があったり、勢いをつけ過ぎるとこけてしまうのではという坂があったり。
あの狭いチューブの中で、あらゆる仕掛けがなされています。
過去の資料を探ると、少なくとも30年近く前の遊具です。
年月を感じさせない‘ワクワクする’空間が、ここにはありました。
ひたち海浜公園の最寄り駅までは都内から特急列車に乗っていくのですが、
指定席の予約が必須です。休日は、予約で文字通り全席満席です・・・