美しい建築を確かな技術力で実現します
女流ファイル

如学会/’11.春

Post Series: コラム執筆・インタビュー

女流File-14
自らの技術と知識を更新し、
感性を磨き続けて、
世界に誇れる質の高いものを目指していきたい

母校建築学科の同窓会誌への寄稿文です。
大学在学時から今まで、どういう思いで建築と向き合ったきたのかを振り返る場と考えて執筆しました。
2010年は、長岡造形大学が竣工した年でもあり組織の中で何を実現していくのかを模索していたように思います。

「自分自身の技術と知識とを更新し、緊張感を持って取り組むのと同時に、感性を磨き続けて一つ一つの建築で世界に誇れる質の高いものを目指していきたい」

という文章最後のくだりは、生涯変わらないテーマです。

Engin01で学んだこと

2011年2月18日から3日間、三枝成彰氏率いる150人余りの講師が新潟県長岡市を訪れ’エンジン01文化戦略会議’が開催され2日目のプログラムは長岡造形大学を使って行われました。会期中長岡のこの時期には珍しく晴天で、キャンパス全体に降り積もった雪に太陽の光がキラキラと反射し絶好の晴れ舞台となりました。

私が受講した’夢-演劇・映画論’では千住明氏・三枝建起氏他が講師としてお話下さり、夢を実現するまでの葛藤、映画監督が考えるシーンの紡ぎ方や、音楽や美術など異なる技術を持ったプロの集団を一つの方向に導いていく方法といった話を目の前で聞くことが出来ました。
映画監督と建築家は、日々向き合っている事が本当に似ているなと感じました。

また、3日目には市立劇場で音楽祭が開かれました。街中の人が集まり現実を離れ、熱狂的な空気を共有する「時間と空間」を創りあげるという建築の一つの大事な意味を目の当たりにする事が出来ました。

長岡造形大学は1994年に公設民営により開学された大学で、2010年春に竣工した第3アトリエ棟は1994年の学部棟、1998年の大学院棟に続く3つ目のプロジェクトです。

私が学部3年生の2月末、日本設計の入社試験に向けて準備をしていた時期に仲間達に行き先も知らされずに連れ出された先が大学院棟の竣工見学会でした。途中、十日町の商店街を抜けた時に初めて自分が新潟まで来ている事に気付き、驚いたことを覚えています。

それから10年・・・まさかその隣に自分が設計することになるとは思いませんでした。
キャンパスの中に既にハイレベルな建築が建っている。そのことに対してのプレッシャーは、ジワジワと心に響いていましたが、全力で頑張れば何とかなるだろう!そう思い、エネルギーとアイデアを注ぎ込んだ力作です。是非、機会がありましたら訪れてみて下さい。

これからのこと

組織にいると、手がけるものが千㎡〜何万㎡と、ある程度の規模になります。当然のことながらその分、環境や周辺に与えるインパクトは大きくなります。
そのことを常に意識して、自分の技術と知識を更新し、緊張感を持って取り組むのと同時に、感性を磨き続けて一つ一つの建築で世界に誇れる質の高いものを目指していきたいと考えています。