雄大なランドスケープ_岡山後楽園
先日、岡山にある三大庭園のひとつ後楽園を訪れました。
桜の舞い散るいい季節で、そこここに見える桜吹雪と新芽の出ている木々が心地良い空間でした。
知る人も多い庭園なので詳細は省きますが、私は人の行き交う動線と道中を楽しむ仕掛けに注目して散策してみても楽しめると思います。
入ってすぐ目に入る岡山城。
そこに至るまでは現代においては、芝生の広大な広場の真ん中を歩いて行くうちにシークエンスが展開していきます。
資料によるとその部分は昔は畑が作られていたそうです。
途中、池の方に誘う脇道があったり。
城へ向かう途中には、敷地内のせせらぎがあり桜の連なりが見えます。
当日は、ちょうど桜吹雪舞う光景を見ることが出来ました。せせらぎに桜が浮いている様子も風流そのものです。
小高い丘に登ると、来た道程の全体を見渡すことが出来ます。
桜の林を抜けて来た人、
これからお城に向かう人、
池を覗き込む人・・・
思い思いに、道を選んで散策を楽しむ様子がよく分かります。
このような雄大なランドスケープに入り込んで楽しめる場所、それが後楽園です。
思えば日本には、枯山水のように見るだけの静止画として完成された庭もあれば、アミューズメントパークのように体験して楽しめる庭もある。庭園文化は堅苦しいものではなく、日々を楽しもうとする昔の人の遊び心そのものですね。
翌日は究極の枯山水庭園を見に安来まで行きます!
後日のお話。
実家から朝日新聞の日曜版が送られて来ました。足立美術館の庭師の方々を紹介した記事です。
ほんの僅かな変化に毎朝目を配って手入れをされていることが、よく理解できました。本当の仕事師ですね。
記事の中で紹介されていた意見として、回遊性がない点を指摘する声が取り上げられていました。実は私も同じことを感じたのですが、創設者が目指した「一幅の絵のごとく」の庭を守り続けているということらしい。