列島縦断の旅-1
7月は一足先に、九州から芦屋、半田、東京へと列島縦断の旅に出かけていました。
長く事務所を空ける前の数週間は、下準備と色々な手配とでバタバタの数週間を過ごしていましたので、ほっとするのと準備し忘れはないかのドキドキと半分半分です。戻ってきてからは怒涛の数週間で、気づいたら1ヶ月が経っていました。
今回の旅で楽しみにしていたのは、安藤忠雄さん設計のコシノヒロコ邸(今はKHギャラリー)を見に行くことでした。
エントランスを入ると画面トップの写真のような感じ。手前に和室(右側の写真)、奥に元々はリビングとして使われていた広々としたスペースがあります。
リビングには大きな窓。そして窓の外には緑。
窓にはロールスクリーンが・・・・ない。
ですが、窓上部のパネルの奥に隠れているのではと思ってます。
⬅︎リビングを背に折り返し廊下を進み、
隣の棟に、キッチンとダイニングがあります。
リビングや寝室、ダイニング細々と機能を分けてシーンを繋げていくという、空間構成です。
「脱住宅論」で話題の考え方とは真逆です。
最近読んだ本の中で、石田潤一郎氏は「安藤忠雄氏の空間は優しい」と述べていました。
住宅の中で外部の緑との関係を、丁寧に創り出しているところがこの建築でも確かに優しいと表現すべきなのだなと感じました。
優しいといえども手触りとして柔らかい部位は、皆無というストイックなつくりです。やはり、ここは住宅というよりギャラリーですね。
GA(建築専門のデザイン誌)に掲載されているアングルと、同じように撮って見ました。
こちら側から隣のボリュームが少しずれながら見えている。緑と建物ボリュームに囲われた、落ち着いた場所がそこに生まれる。
全然見た目では分かりませんがエントランスのある棟は竣工後に、一層分増築されています。
だから厳密にはGAに掲載されている時と、同じ見え方ではないのですけど。
左の写真で、上側の棟がのちに増築されています。
写真では半分埋まっていますが、現在は2棟とも地上に出ている部分は同じです。
一流の空間全体をディテールに至るまで体験するのが、やはり一番大事です。
楽しいですし。